電気自動車の普及に陰りが見えてきた

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ここ近年、急速に普及している電気自動車。

内燃機関であるエンジンを搭載したクルマは走行時に地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)を排出する為、悪とみなされる傾向があります。

地球温暖化の進行を止めるべく、多くの国では内燃機関を搭載したクルマの新車販売を2030年、2035年から禁止する法案を可決しています。

それに伴い、各自動車メーカーはガソリンエンジンやディーゼルエンジンを捨て、電気自動車の開発に舵を切り、多くの電気自動車のラインナップを揃え、20XX年までに電動車の販売割合を50%以上にする、100%にするといった目標が掲げられていました。(日本の自動車メーカーは、海外勢と比べると電気自動車の開発に対して積極的ではない)

電気自動車は本当に普及するのか?
私は以前、電気自動車が普及すると予想していましたが、電気自動車の普及に陰りが見えてきました。改めて、電気自動車の普及について私の考察を紹介します。

そんな中、ここ最近では電気自動車の販売台数が伸び悩み始め、多くの自動車メーカーがガソリンエンジンに回帰する事態が発生しています。(電気自動車の販売割合100%を掲げていた自動車メーカーでさえもガソリンエンジンの開発を再開したり、電気自動車の販売割合目標を下げたりしています。)

なぜ、電気自動車が売れなくなり始め、多くの自動車メーカーはガソリンエンジンに回帰しているのか?その理由を紹介します。

価格が高い

バッテリーの生産技術や大量生産によって電気自動車の価格が下がり、触媒の高騰によってガソリンエンジン車の価格が上がることによって2025年にはガソリンエンジン車と電気自動車の価格が逆転するといわれていましたが、2024年になった今でも価格差が縮まっておらず、電気自動車はガソリン車と比較しても高価で、コンパクトカーではガソリン仕様と比較して約2倍ほどの価格差があります。

コロナ禍が明けて以降、急速なインフレーションによって物価が上がり、電気自動車の価格が顕著に高騰しています。

電気自動車には、購入時に国や自治体から多くの補助金が出ますが、それも現在は縮小傾向にあります。

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ただ、価格の安い中国の電気自動車の進出がありますが、今後、関税等が掛けられる可能性があります。

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修理費が高い

電気自動車に搭載されているバッテリーには寿命があります。また、少しの事故でも損傷した場所によってはバッテリーの交換が必要になるケースもあります。

電気自動車のバッテリーは、安全上の観点から気密性が高められており、交換時に多くの手間を費やしますので、バッテリー交換費用が高額だといわれています。

あまりの高コストに修理をせずに廃車にして、クルマを乗り換えたほうが良いと判断されるケースもあります。

売却価格が安い

新車価格は高価な電気自動車ですが、売却時は非常に安くなります。

中古の電気自動車は敬遠される為、価格が安い傾向があります。その理由はバッテリーです。

電気自動車に搭載されているバッテリーは充電と放電を繰り返すと寿命が縮まり、寿命が縮まると、ただでさえ、短い航続可能距離がさらに短くなっていきます。

中古電気自動車はバッテリーの状態が分からず、ハズレを引く可能性がある為、購入を敬遠されます。

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航続距離が短い

ガソリン車やハイブリッド車の航続距離は500km以上ある車種も珍しくありません。ですが、電気自動車の航続距離はガソリン車と比較しても短いといわれています。

最近では航続距離500km以上を謳う電気自動車が登場していますが、大型の高級電気自動車に限ります。多くの電気自動車の平均的な航続距離は余裕を見越しても300kmほどで、特にコンパクトクラスの電気自動車では1度の充電で200km程度しか走ることができない為、長距離移動時に不便だと感じます。

充電が不便

ガソリン車やディーゼル車はガソリンスタンドで5分程の給油で済みますが、電気自動車は長時間の充電を強いられます。

電気自動車は充電ポートでの急速充電でも30分程(10%から80%)必要です。

最近ではかなり減ったといわれるガソリンスタンドですが、充電ポートはそれ以上に少なく、充電ポートが満車の場合、順番待ちをする必要があります。

実は、EVは思ったよりエコじゃなかった

電気自動車は走行時に二酸化炭素を排出しないので「電気自動車=エコ」というイメージが定着しています。

しかし、日本は火力発電がメインで多くの二酸化炭素を排出して造られた電気を充電して電気自動車を走らせているので、走行前に二酸化炭素を排出するのか、走行時に二酸化炭素を排出するのかの違いになります。(再生可能エネルギーで発電している北欧ではエコかも知れません。)

そして、電気自動車はガソリン車と比べて重く道路への負担が大きく、また、走行時に多くの電気を消費します。(冬場にヒーターを使用すると多くの電気を使用します。ガソリン車はエンジンの熱を利用するので燃費が大きく下がりません。)

また、クルマは製造時や廃棄時に多くの二酸化炭素を排出します。大きなバッテリーを搭載する電気自動車は製造時や廃棄時にガソリン車以上に多くの二酸化炭素を排出します。

さらに、電気自動車のパワートレインであるモーターは、いきなり最大出力が発生する特徴があります。よって必要以上にパワーがあるのでタイヤの摩耗が激しく、タイヤの交換サイクルが早くなるため、多くの廃タイヤを生み出します。

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ハイブリッド車が売れている

電気自動車が売れなくなった一方、エンジンとモーターの両方のパワートレインを搭載するハイブリッド車の販売が拡大しています。

日本では燃費が良く静かな走り出しで大人気のハイブリッド車ですが、海外の自動車メーカーは、ハイブリッド車は電気自動車へ移行にあたっての過渡期的な存在だと考え、電気自動車の開発を急ぎました。(ハイブリッド車の技術では日本に叶わないと判断したのか、もしくは、ハイブリッドの特許はトヨタが持っており、現在は無償開放していますが、いつ特許使用料を請求されるか分からないからハイブリッド車を避けたともいわれています。)

ですが、価格が高く、航続距離が短く、充電時間時間が長い電気自動車が売れず、電気自動車へ舵を切っていた自動車メーカーが急遽、ハイブリッド車を開発し販売するようになりました。

特にプラグインハイブリッドは電気自動車よりバッテリー容量が小さく済むので価格が安く、(地域によっては補助金も受けられます。)充電によるEV走行が70km程(車種によって異なる)可能で、充電がなくても、エンジンを起動させる通常のハイブリッド車として走行できるので人気があります。

そして、最もエコなクルマはトヨタ プリウスというデータもあります。

各先進国の政府が補助金や法律で無理矢理、電気自動車を普及させようとしましたが、多くの人々は高価で不便で大してエコじゃなかった電気自動車を求めてはおらず、価格が安く便利なハイブリッド車に人気があります。

欧州の排ガス規制の「ユーロ7」の緩和がガソリンエンジンエンジンの回帰火付け役になっていますが、自動車メーカーは各国の法律に翻弄されながら多くの可能性を模索しているように思えます。