オーナー視点で再レビュー。日産フェアレディZ RZ34(6MT)試乗記

フェアレディZ関連

2024年9月2日月曜日に待望の日産フェアレディZ RZ34バージョンSが納車されました。

日産フェアレディZ RZ34が納車されました!
台風雨10号によって納車が遅れましたが2024年9月2日月曜日に日産フェアレディZ RZ34バージョンSが納車されました!フェアレディZ RZ34の紹介とファーストインプレッションをします。

納車後、嬉しく、楽しく、気が付けば1000km以上乗り回していました。少しづつですが、RZ34のことがわかってきたような気がします。

以前、横浜市にある日産グローバル本社ギャラリーにて9ATのRZ34に試乗させて頂きましたが、今回は、元Z34乗りのRZ34オーナー視点で、RZ34のMTは、Z34のMTとどう違うのか?を紹介させて頂きます。

405馬力の貴婦人。日産 フェアレディZ RZ34試乗記
日産 フェアレディZ RZ34がどのようなクルマなのか、Z34オーナーである私の視点からの感想と共に紹介します。

フェアレディZ RZ34とは

まず、簡単に日産フェアレディZ RZ34の紹介をします。

車名のフェアレディとは貴婦人、Zはアルファベットの最後の文字である究極を意味しています。

初代フェアレディZ(S30)は1969年に発売。S130→Z31→Z32→Z33とモデルチェンジされ、2008年12月に6代目となる現行のZ34が発売されました。2022年にビッグマイナーチェンジという形でRZ34が発売されました。

RZ34はZ34から8割もの部品が新しくなっています。様々な憶測がありますが、新しい形式を取得すると新法規に対応させなければならず、車輌開発費が膨れ上がります。なので、マイナーチェンジという形で価格を抑えて新型フェアレディZを世に出したと推測されます。

以下が日産フェアレディZ RZ34バージョンSのスペックです。

販売時期2022年〜
形式3BA-RZ34
エンジンVR30DDTT
排気量2997cc
最大出力405ps@6400rpm
最大トルク48.4kgf・m@1600rpm〜5600rpm
過給器ツインターボ
使用燃料無鉛プレミアム
燃料タンク62ℓ
燃費9.5km/ℓ
トランスミッション6速マニュアルトランスミッション
駆動方式FR
タイヤサイズフロント 255/40R19
リア 275/35R19
ハンドル位置
乗車定員2名
全長×全幅×全高4380mm×1845mm×1315mm
車両重量1590kg
最小回転半径5,2m
価格624万5800円

外観

フロントです。

フロントはS30をモチーフとしたデザインで、デイライトでS30のヘッドライトの反射を表現しています。

このRZ34のボディカラーはセイランブルー・スーパーブラックで、非常に鮮やかでRZ34の珍しさと相まって周囲の目を惹きつけます。

Z34にあったドアノブはフラットで空気抵抗のない、ボディと同色の目立ちにくい構造をしています。

ブラックのルーフによって車体を低く見せています。

サイドです。

サイドはZ34に似ており、流線形状が美しいクーペです。

Z34よりロングノーズ、ショートデッキが強調されていますが、ボディサイズは全長4380mm、全幅1845mm、全高1315mmとZ34とほぼ同じサイズです。(Z34は全長4260mm、全幅1845mm、全高1315mm)

ウィンカーランプはフロントフェンダーからサイドミラーへ移動し、リアフェンダー上に「Z」エンブレムが装着されました。

ルーフからリアハッチにかけて日本刀をモチーフとした装飾があしらわれています。

リアです。

リアはZ32をモチーフとしたデザインで、この後ろ姿に追いつけなくて「悔しい」より「潔い」と思わせてくれます。

Z34とは、また違ったフェンダーの膨らみがあり、美しくかつワイドに魅せています。

足回りです。

タイヤはZ34と同じブリジストン ポテンザS007。RZ34の為に改良されたらしいです。

ホイールはレイズ製19インチ鍛造ホイール。スポークは日本刀をモチーフにしています。今回からTPMS(空気圧監視システム)が搭載されました。

ブレーキは曙製フロント4ポッド、リア2ポッドの対向ピストンブレーキです。こちらもRZ34の為に改良されたらしいです。

内装

内装です。

メーターは液晶になり、3種類から選択できます。画像はスポーツメーターで、通称「次生メーター」です。(レーシングドライバーの松田次生選手がデザインに携わったことからこの名で呼ばれています。)

フェアレディZ伝統の3連メーターは左から「電圧」「タービン回転計」「ブースト計」です。Z34で不評だった時計はなくなりました。

ナビは大きくなり、物理ボタンは必要最低限になりました。私の体格が合っていないのか?ハンドルを持った手で画面左側が隠れます。

ナビの操作性は可もなく不可もなく無難です。動きは古いスマホ並みにモッサリとしています。最も不満なのが、バックカメラの画質の悪さです。3DSのカメラを彷彿とさせる画質で、夜の雨天時は役に立ちません。

エアコンスイッチは純正ナビ設定なしのZ34と同じダイヤル式で、ダイレクトな操作感がありますが、今は何度設定なのかが分かりにくいです。

エアコン操作ダイヤル下にUSBポートがあり、スマホなどが置けるスペースが用意されています。(これはとても便利です。)

デジタルインナーミラーは純正ミラー交換の社外品です。アルパイン製の「DVR-DM1200A-IC」取り付けキットが「KTX-M01-A1」です。

ステアリングは高級感があり、いつまでも握り続けたいと思わせてくれます。スイッチ類もピアノブラックで高級感がありますが、汚れが目立ちます。

内装全般にソフト樹脂?で高級感があります。

私はレーダー探知機を運転席右側のツイーターの上に設置していますが、スペースがなく設置場所が難しいです。

ドアハンドル、ドアのエアコン吹き出し口、パワーウィンドウスイッチ、シート、ペダルはZ34と同じです。

センターコンソールの収納です。

RZ34はドリンクホルダーが2つに増設されていますが、収納ボックスは小さくなりました。

肘置きをスライドさせることでドリンクホルダーを出現させることができます。

常設のドリンクホルダーは左ハンドル設計の為、飲み物を置くとシフト操作の邪魔になります。

汚くてスミマセン><

運転席後の収納スペースです。Z34と同じ構造で、カバンなどのモノが置けます。引き出し?スペースには取扱説明書ぐらいが入るサイズがあります。

グローブボックスです。

これもZ34と同じです。よくある車検証入れを入れるには、やや小さいです。

ラゲッジルームです。

形状はほぼZ34と同じですが、ボディが分厚くなった?のか微妙に狭くなった気がします。

ボディが分厚くなった?ので、出し入れが遠くなってしづらいです。

トランクの下です。こちらもZ34と同じです。

車載工具とパンク修理キットが搭載されています。

空いたスペースに備品を搭載できます。

こちらも汚くてスミマセン><

エンジン

搭載されるエンジンはVR30DDTT。

排気量2997cc V型6気筒DOHCツインターボ。最大出力 405ps@6400rpm。最大トルク 48.4kgf・m@1600rpm〜5600rpm。

タワーバーはZ34は三点でしたが、RZ34は細い棒状になりました。(Z34のタワーバーはとても重かった)

排気量が小さくなりましたが、エンジンルームは相変わらず手を入れる隙間がないほど詰まっています。

Z34より排気量が下がったので、税金が安くなって嬉しいです!!

オイルフィラーキャップはZ34から移植したトップシークレットの製品です。

運転してみて

ドアを開けて乗り込みます。Z34比でやや乗り込みづらくなっています。ドアの閉まる音が非常に非常に良くなっています。(Z34のドアが閉まる音は安っぽい)

シートの可動域や高さ調整はさまざまな体格の方に合わせられます。ボンネットやダッシュボードが高くなったのか?Z34より視点が沈み込んで見えます。視界はZ33に近い雰囲気があります。

ベースグレード・バージョンSのファブリックシートはZ34と同じで、硬すぎない柔らかすぎない疲れさせない座り心地です。大柄な欧米人向けのシートなのか?身長160cmの私の体格には合わず、ホールド性はありません。

ステアリングの高さと奥行きを調整しますが、上げるとハンドルで視界を遮り、下げると膝が当たるので、なんとも調整が難しいです。(少しハンドルで視界を遮る位に調整すると膝がギリギリ当たらないので、この位置に落ち着きました。)

ルームミラーで後方は見えづらいです。斜め後方は絶望的に見えません。

サイドミラーも小さいのでしし非常に見えづらく、右左折時に歩行者や二輪車を見落とす心配があります。(なので、ワイドミラーを購入しました。)

車幅感覚はZ34とほぼ同じですが、左側前方の感覚が少し分かりづらいです。

エンジンをかけます。アイドリングは非常に静かです。

クラッチペダルは軽い部類に入り、Z34より少し軽いです。(展示車ではかなり軽く感じましたが、気のせいだったのでしょうか?)

ギアを入れます。ショートストロークでスムーズに入ります。これぞスポーツカーのマニュアルシフトといえます。ただ、Z34と比べても差を感じられません。

発進します。クラッチにかなり遊びがあります。

Z34に慣れていると発進に少しクセを感じます。排気量ダウンと車重増によって出だしはZ34の方が軽やかで速いです。2000rpmを超えた辺りから加給を感じます。

丁寧なシフトチェンジを心掛けないと変速ショックが発生します。

ツインターボによる加給が効くとZ34を凌駕するトルクで車体を加速させていきます。Z34バージョンS比で+80kg増加した車重を忘れさせるほど、スムーズにスピードメーターの数字を大きくしていきます。

最大トルク48.4kgf・mが1600rpmで発生するので、5速50km/hからでもグングンと加速できます。

ギアは全般、Z34より高く感じます。なので、エンジンブレーキがやや効きづらく感じます。

エンジンの吹き上がりが非常に良く、ブリッピング時にエンジンの回転数を上げ過ぎてしまいます。

ブレーキのタッチはブレーキペダルの踏み始めに少し引っ掛かりがあります。ブレーキの効きは申し分ありません。

コーナリングはすごく綺麗に気持ちよく曲がってくれます。Z34よりひとランク上のコーナリングを披露してくれます。

サスペンションは硬く、ずっしりとした印象を受けます。段差を超えた際や車線変更時の揺れの収まりは良いです。

Z34より静粛性が向上しています。(特に小石を巻き上げる音が軽減していますが、ロードノイズは、やや煩めです。)アイドリングに比例して、走行中もマフラーから出る排気音は非常に静かで、エンジンサウンドがほとんど入ってきません。(マフラー交換したいと思います。)そのせいか、ところどころで発生しているビビリ音が気になります。(オーディオで誤魔化すしかありません。)

音でいえば、スピーカーの音質がとても向上しています。エアコンの送風音は相変わらずうるさいです。

坂道発進時に後退しないようにアシストしてくれますが、正直なところ邪魔です。(消せないらしい・・・)

車輌検知ランプはあまり信用していません。

レーダークルーズが付いていて、設定した車間距離・速度で前方車両についていきます。日産の運転支援システムは優秀で、安心して使えます。(個人的には使いませんが)

衝突予知アラーム?は前方車の左折速度が遅いと鳴ります。車線逸脱アラームはデフォルトではオフになっています。(そのままオフにしています。)

エンジンサウンド・ドアの開閉音などはコチラの動画に収録してあります。

Z34と比べてトルクがあり、よく曲がり、高級感のある走りをしますが、微妙にクセがあり、運転のしやすさはZ34に軍配が上がるかと思いますフェアレディZ RZ34カッコ良くも美しい、運転が楽しい高性能な貴婦人です