ここ最近、巷を騒がせている日本の自動車メーカーであるダイハツ工業の不正問題。
2023年4月にドアトリム不正・5月のポール側面衝突試験不正に加えて、新たに25の試験項目において、174個の不正行為があったことが判明した為、64車種に及ぶ全てのダイハツ製造のクルマの出荷を停止する前代未聞の処置が行われました。
国内にあるダイハツの工場の稼働が全て停止し余波が長期化すると思われます。
実は、我が家には2023年に新車で納車された軽トラックのダイハツ ハイゼットジャンボがあります。
ダイハツ車に乗るいちユーザーとして今回は、ダイハツの不正問題について私が思うことを紹介します。
何が問題なのか
今回、問題があったのは安全性能に関する認証試験で25項目174もの不正がありました。
一部例を挙げますと、タイマーでエアバッグが発動するように設定したり、助手席のデータを運転席のデータとして提出するなどが行われていました。
30年以上も前からダイハツ社内では不正が蔓延していました。その理由として、開発期間を短くするように命じる経営陣の現場軽視や過度な圧力(テストに合格して当然という風潮)があったからと言われています。
社内で起きた全ての事は経営側に責任があります。現場が経営側に対して意見が言えなかった為に今回のような事態に陥ったのかもしれません。(現場より机上で仕事している方が偉いという風潮があります。)
現場に責任を押し付ける某大手中古車販売会社や知らなかったという某芸能事務所とは違い、会見時に経営陣側に問題があったと認めている分には一定の評価はできますが、今後どのような対応するかは行方を注視したいと思います。
ダイハツは今後どうなるのか
国土交通省から問題がないと認められるまでは、ダイハツ車の販売ができなくなります。注文済みで未生産分は一方的にキャンセルとなります。生産済みで納車待ちをしていた方達は納車ができます。(希望があれば返金ができるそうです。)
既に販売済みのダイハツ車については社内テストには合格しているので、引き続き安心して乗れるそうです。ただし今後、リコール等が行われる可能性があります。
今回の件でダイハツの工場の停止が最低でも1ヶ月は続くと思われます。工場が停止することによって工場で働く方はもちろん、工場に部品を納入する会社などに影響を及ぼします。(取引先への補償も検討しているそうです。)
ダイハツやダイハツに部品を供給する会社の正社員であれば、まだ影響は少ないですが、派遣社員となると真っ先にリストラの対象となり、収入が途絶えてしまいます。
ダイハツの販売店やディーラーもダイハツ車の販売ができなくなるので、当面の間は車検や点検・修理のみの営業になるかと思われます。(営業マンのインセンティブが下がると思われます。)
そして、ダイハツ車の価値が下がり、中古車販売店も仕入れ値以上に安く販売しざるを得ないでしょう。(ダイハツ車を中古で買う絶好のチャンスともいえます。)
もし、基準に合格できなければ、国土交通省による型式指定の取消が行われ、製造の中止が余儀なくされ、更なる影響が懸念されます。
30年間も問題がなかったので良いんじゃないの?と思いますが、何かしらの処分がなければ、ライバルが黙っていないと思います。(スズキ・ホンダ・日産など)
というのも真面目に承認試験を受けて、合格させるにはコストがかかり、かかったコストは車両販売価格に転嫁されます。特に軽自動車は価格に敏感な商品で安い方が売れやすくなります。
価格競争において、不正によってコストカットされたダイハツと真面目に承認試験を受けた他メーカーでは、真面目に承認試験を受けた方が圧倒的に不利で、不正して価格を下げられたダイハツに客を取られた可能性もあります。
不正が明るみになった現在では、他メーカーは販売台数を伸ばす千載一遇のチャンスでもあります。(軽トラックは実質スズキの独占状態にあります。)
ダイハツの不正問題の余波はしばらく続くと思われます。ダイハツの経営陣には問題を適切に処置をして頂き、今回の件で巻き込まれ被害を被られた方に対して救済を施すことを願うばかりです。