2025年7月頃に高速道路の深夜割引の改定予定。なお改悪になる模様。

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皆様は高速道路を使いますか?

高速道路は、早く目的地に到着させるのに便利で、物流にとっても大きなインフラの役割を果たしています。

しかし、日本の高速道路は世界でも類を見ないほどの高額な通行料金が課せられており、少しでも安く高速道路を通行したいと多くの方は思っているはずです。その希望を叶えるには「深夜割引」または「休日割引」という制度を利用すると30%割引されます。(ETC限定ですが)

2025年5月現在、深夜割引は午前0時〜午前4時の間の1秒でも高速道路に滞在すれば適用され、休日割引は土曜日・日曜日・祝日に1秒でも高速道路に滞在すれば適用されます。(深夜・休日割引の併用はされず、どちらか片方だけとなります。)

そんなお得な高速道路の割引制度がありますが、「深夜割引制度」が2025年7月頃から大きく変わります。

今までは、昼間に高速道路を走行し午前0時00分01秒に料金所を通過し高速道路を退出、もしくは午前3時59分59秒までに料金所を通過し昼間に高速道路を走行しても通行料金の全体が割引される便利な仕組みでしたが、テコ入れが入るとアナウンスされています。

なので今回は、高速道路の深夜割引がどのように変わり、改悪されるのかを紹介します。

深夜割引対象時間が拡大される

これまでの深夜割引の適用時間が午前0時〜午前4時という深夜の中の深夜のみ対象でしたが、今回から22時〜午前5時に拡大されます。(労働基準法の深夜と同じ時間となります。)

たとえば22時に高速道路に乗って、23時30分に高速道路を降りるような利用でも深夜割引が適用されます。(しかし、22時台の退出は割引額が当面の間20%となります。)

これだけ見ると物価高の時代に深夜割引適用時間拡大とは良心的だと思えますが問題は次からです。

対象の時間に走った分だけが割引対象になる

今までは、午前0時00分01秒に料金所を通過し高速道路を退出、もしくは午前3時59分59秒までに料金所を通過して高速道路を走行するような「深夜割引の適用時間に1秒でも高速道路に滞在していれば、通行料金全部が安くなる」という、ちょっと甘めの仕組みでした。

しかし、今後は深夜割引の適用時間に実際に走行した距離だけが割引対象になります。(走行距離が1000kmを超えていれば22時台退出で全走行距離20%引き、23時以降退出で全走行距離30%割引が当面の間適用されます。)

例えば、21時に料金所を通過し、常時100km/hで走行し、午前0時から午前3時までサービスエリアで仮眠し、午前6時に高速道路を降り、高速料金は1万3000円だとします。

21時〜22時の間に走った100kmは通常料金で、22時〜午前0時、午前3時〜午前5時まで走った400km分が深夜割引適用となります。午前5時〜午前6時に走った100kmは通常料金となります。

深夜割引の計算式は次のようになります。深夜割引後料金=13000円(通常料金)×(100%−400km(割引適用時間帯の走行距離)÷600 ㎞(全走行距離)×30%(割引率))

計算すると10400円となり、2600円割引されたことになります。

よって今回9時間で走行した600kmの内、22時〜午前0時・午前3時〜午前5時の4時間で走った400km分しか深夜割引が適用されません。なので、眠くても深夜割引のために午前5時までは無理して走るという選択肢が生まれます。(そして居眠り運転をして事故を起こすシナリオが待っています。)

ならばモンスターエナジー注入して無理してでも深夜割引の恩恵を最大限に受けたいので22時に料金所を通過し、常時100km/hで走行し、途中サービスエリアで1時間の仮眠を取り午前5時に高速道路を降り、高速料金が1万3000円だった場合。

深夜割引後料金=13000円(通常料金)×(100%−600km(割引適用時間帯の走行距離)÷600 ㎞(全走行距離)×30%(割引率))

計算すると9100円となり、3900円割引され、21時に高速道路に乗り、3時間の仮眠を取った場合よりも1300円も安くなります。(居眠り運転をして高い代償を払う可能性がありますが)

なぜ、走った時間と距離がわかるのか?

それはETC無線通信専用アンテナが設置されるからです。割引時間帯の走行距離は通信記録で算出された平均速度で位置を推定し処理されます。

深夜割引の距離に「上限」がある

「ならば、180km/hでかっ飛ばして割引対象距離を稼ぐぜー!」といいたいところですが、新しい制度では、「長距離を一気に走って割引をフル活用する」というのが難しくなります。

なぜなら割引対象の距離に上限が設けられるからです。

軽自動車・普通車は1時間あたり105km、大型車は1時間あたり90kmという上限が設けられます。さらに4時間超で休憩時間として深夜割引適用時間を30分強制的に減らされます。(なので新東名 浜松浜北IC〜長泉沼津IC間の約120kmを制限速度の120km/hで1時間かけて走っても15km分は割引されないという矛盾が生じます。)

よって普通車の場合は22時〜午前5時までの7時間で682.5km以上の距離の割引を受けることができません。

とはいえ、渋滞した際の補填等の説明がないので、遅れた分は休憩なしで、ピーkm/hでぶっ飛ばして距離を取り返すしかなさそうです。

割引は「あとから」還元される

これまでの深夜割引は、料金所を通過した時点で自動的に通行料金が割引されていました。

これからは、あとからポイントで還元される方式になります。その還元を受ける方法は「ETCマイレージサービス」「ETCコーポレートカード」のどちらかに登録しておく必要があり、登録していないと、割引されません。(よって深夜割引対象時間に料金所をを通過しても通常料金が表示されます。)

このポイントはETCの利用料金の請求額の減額に使用できます。

私はすでにETCマイレージに登録してありますが、登録するのが面倒で、ポイントも有効期限があり、ポイントを交換するのも面倒と面倒極まりなしです。それと、出張サービスなどで高速道路料金を客先に実費請求する際はどうするのだろうか?と疑問になります。(過剰請求が許されるのだろうか?)

ちなみにETC コーポーレートカードをご利用の場合は、翌月に発送する請求書において深夜割引後の料金を請求します。

これからどうする?

この新たな深夜割引制度の変更は、22時〜24時・午前4時〜以降限定で走るドライバー以外は損したと感じるかもしれません。

とはいえ、どこぞのハゲたお偉いさんが決めたことかは知りませんが、決定事項はおそらく覆らないので、今のうちに、ETCマイレージサービスに登録し、高速道路に乗る際は、割引シミュレーションで事前確認などして、新制度に備えるしかなさそうです。

「どうしてこんなにややこしくするのか?」と思いますが、高速道路という競争のない独占市場の利用料金を利用者から巻き上げる為としか考えられませんね・・・。

深夜割引が改悪されますが、休日割引制度はそのままらしいので、土曜日の0時00分01秒に高速道路を降りるか、日曜日の午前3時59分59秒までに高速道路に乗る方法を採用する他なさそうですね。

現在、年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休は休日割引が適用外になっています。この先、3連休も休日割引が適用外になるとアナウンスされています。(春節などの大型連休には高速道路料金を割引している中国政府が良心的に思えます。)

この記事の執筆者

フェアレディZオーナーによる自動車情報とおでかけ情報を発信するブログ・YouTubeチャンネル「Can I get information」運営をしています。趣味はドライブとクルマです。マイカーは日産フェアレディZ(RZ34)。常に新しいコトを探究。東海地方を拠点に活動しています。

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