私は先日、クライスラー PTクルーザーカブリオに試乗しました。
クライスラー PTクルーザーカブリオがどのようなクルマなのか私の感想と共に紹介します。
前回のクライスラー PTクルーザーカブリオの試乗記はコチラ
クライスラー PTクルーザーカブリオとは
クライスラー PTクルーザーカブリオはアメリカの自動車メーカーのクライスラーが製造・販売していたクルマです。
1930年代に生産されていたクライスラー エアフローをモチーフにしたデザインのクルマです。
PTクルーザーの「PT」は、Personal Transportationに由来します。
PTクルーザーは2000年に発売され、2004年にPTクルーザーカブリオが発売されました。
2002年まではオーストリアで生産され、2003年以降はメキシコ生産となりました。
2010年にPTクルーザーの生産が終了しました。
以下がクライスラー PTクルーザーカブリオのスペックです。
販売時期 | 2004年〜2009年 |
形式 | GH-PT2K24 |
エンジン | S |
排気量 | 2429cc |
最大出力 | 143ps@5200rpm |
最大トルク | 21.8kgf・m@4000rpm |
過給器 | 自然吸気 |
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
燃料タンク | 56ℓ |
燃費 | 8.2km/ℓ |
トランスミッション | 4AT |
駆動方式 | FF |
タイヤサイズ | 205/55R16 |
ハンドル位置 | 左 |
乗車定員 | 4名 |
全長×全幅×全高 | 4330mm×1750mm×1540mm |
車両重量 | 1520kg |
最小回転半径 | 6.1m |
価格 | 300万9300円 |
外観
1930年代に生産されていたクライスラー エアフローをモチーフにしたクルマで、21世紀に馴染むように曲線を魅せる形状で、一目でPTクルーザーだと認識できる独特なデザインとなっています。
リアから見ると奇抜さが薄れますが、存在感はあります。
車両中央に大きなタワーバーが鎮座しています。
帆は全開にしても中途半端な開き方となっています。
こちらの車両のホイールは18インチにインチアップされた社外品が装着されていました。タイヤサイズは225/40R18でした。
純正タイヤサイズは205/55R16です。
内装
20世紀末のクルマの内装でレトロを感じられます。2007年以降は右ハンドル化されましたが、こちらの車両は左ハンドルです。(異国の薫りを感じたいなら左ハンドル一択です。)
中央に集約されたスイッチ類は慣れれば使い勝手も悪く感じられません。
シフトは真ん中のボタンを押しながらレバーを動かします。マニュアルモードの操作は、斜め下に入れますが、これがやや使いづらいです。
収納やドリンクホルダーも用意されているので日常使いも極端な不便さを感じられません。
エアコンの樹脂の部分が脆く、少し力を入れると簡単に割れてしまいそうです。
リアシートは緊急用ではなく、日常的に乗れる広さがあります。
シートを簡単に倒せるので、乗降は楽ですが、中央のタワーバーに頭をぶつけないように気を付けなければなりません。
トランクです。
決して広くはありませんが、4人乗りオープンカーとしては十分な広さです。
エンジン
排気量2429cc横置き自然吸気直列4気筒DOHC 最大出力143ps@5200rpm、最大トルク21.8kgf・m@4000rpmのエンジンがフロントに入っています。
運転してみて
重たいドアをガチャっと閉め、乗り込みます。
シートはゆったりした造りで、ペダルが遠く感じます。高さ調整のみ電動で前後移動とリクライニングは手動です。長時間座るとお尻が痛くなります。
奇異な形状のクルマですが前方の視界が良く、車両感覚が掴みやすいです。しかし後方視界は悪く、斜め右後方は絶望的です。
エンジンは2.4ℓありますが、体感上2ℓ相当の低回転型エンジンのパワー感で特に印象に残りません。
4速オートマチックトランスミッションは1速、2速のギア比が低く3速、4速のギア比が高いです。中間のギアが欲しいところです。
走り出しは、2.4ℓエンジンのトルクと低いギア比組み合わせにより1520kgの車重をスムーズ加速してくれます。アクセルを強く踏むとホイルスピンを誘発します。(タイヤの性能が低いのか、トラクション性能が低いのかは定かではありませんが)
定速巡行は快適で、キックダウンの反応速度は速いですが、中間加速はイマイチ伸びません。
ギアは比較的早く高いギアへ変速してくれます。マニュアルモードでの変速速度はラグの少ないスムーズな変速で、ギアが低いのでエンジンブレーキが強力に効きます。
信号待ちのアイドリング時の振動が凄まじいです。
サスペンションの硬さは硬すぎず、ふわふわしない、ちょうどいい塩梅です。
ステアリングは操作感のある適度な重さがあります。ステアリングの反応速度は至って普通です。
コーナリングはアンダーステアで、小回りが全く効きません。
PTクルーザーカブリオの最も不満なポイントはブレーキの効きが悪すぎる事です。ブレーキペダル自体が重く、強く踏み込んでも緩やかな減速しかしません。車間距離を余分に空けて早めにブレーキをかけなければ、前を走るクルマに追突してしまいます。エンジンブレーキが強力なので、併用すると良いかもしれません。
走行性能を追求するクルマではなく、ゆったりとドライブする為のクルマだと感じられます。
クライスラー PTクルーザーカブリオは4人でゆったりとオープンドライブができるアメリカンクルーザーです。